自然再生協議会通信 第24号を発行しました。
1.コロナ禍の再生協活動 - 会長 松本公夫より皆様へ
- 四万十川自然再生協議会では、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、令和3年2月に開催を予定していた総会を書面決議に変更しました。
- しかしながら、当協議会は幸いにも自然が相手。野外の取り組みが多いこともあり、感染症対策に十分に留意しながら、さまざまな取り組みを行うことができております。各行事の際には、多くの皆様の参加・協力を得ただけでなく、たくさんの励ましの御言葉を頂戴しました。ありがとうございました。
- 役員会も2ヶ月に1回程度開催し、各行事の開催に向けた意見・提案、実施後の課題等を出し合い、また四万十川自然再生事業に関する意見交換等も行ってまいりました。2月の役員会ではコロナ明けの取り組みに向け(明けると信じたい。”Withコロナ”かもしれませんが…)、役員一同、心を新たにしたところでございます。活動内容は例年度ほぼ同じですが、活動の灯を消さないことが、四万十川の豊かな自然と環境を守り育てるうえで、最も重要であると考えております。今後ともよろしくご協力のほどお願い申し上げます。
2.令和2年度取り組みダイジェスト
- 07月:マイヅルテンナンショウ保護区草刈り
- 10月:第53回四万十川自然観察会
- 11月:入田ヤナギ林一斉清掃
- 11月:第10回四万十の水辺八十八ヶ所めぐりバスツアー
- 11月:第11回四万十つるの里祭り
- 02月:第2回四万十川流域生態系ネットワーク推進協議会に会長が委員として参加
- 02月:菜の花まつり会場整備
- 02月:入田ヤナギ林菜の花まつり
3.四万十川自然再生の聖地「入田ヤナギ林」を守り育てて
- 赤鉄橋の少し上流側、四万十川河畔の入田ヤナギ林は、早春、菜の花とヤナギの芽吹きのコントラストが美しい四万十市の名所です。また、絶滅危惧種マイヅルテンナンショウの保護区もあります。
- 私たち四万十川自然再生協議会は、平成14年の設立以来、この入田ヤナギ林を活動の主要な拠点としています。この地のすばらしさ、大切さを教えてくれたのは、令和3年1月に逝去された当協議会顧問で植物の専門家 澤良木庄一先生、そして、平成26年に先立たれた鳥類の専門家 澤田佳長先生です。
- 入田地区の河畔林は、国土交通省の四万十川自然再生事業(アユの瀬づくり)が実施される前はうっそうとしており、澤田先生曰く「獣も寄り付かない」林でした。事業の実施により樹木や竹の伐採・間伐が行われ、明るくなったヤナギ林には、オオヨシキリなどの草原や河原で暮らす鳥たちが戻り、林の中には菜の花が芽吹きました。私たちはその再生過程を両先生と共に見つめ、「菜の花まつり」の入田地区での開催を提案し、今日に至っております。(「入田ヤナギ林」という名前を世に広めたのは澤良木先生です!)
- コロナ禍にあっても、今年と変わらず菜の花は満開で、地元ばかりではなく、四万十川を訪れる多くの人々が自然を満喫する場所となっています。私たちは、自然再生と地域活性化のつながりを発見する「聖地」として、澤良木先生と澤田先生の想いを胸に、これからも入田ヤナギ林を大切に守り育てていきたいと想います。